1日100円で熱中症予防!? エアコン代を時間別で比較した

毎日暑い日が続いていますね。
エアコンをつけたいところですが、どうも節約を考えて我慢してしまいます。
「つけっぱなしにしたほうが安い」なんてことも聞いたことがありました。
結局つけるのかつけないのか、どっちがいいのかわかりません。
そこで、実際にどれだけ使えば、料金にどれくらい差が出るか検証してみました。
節約でエアコンをつけるのをためらっている方は参考にしてみてください。
結果だけ知りたい方は、下の目次から「エアコン代だけの料金比較」まで飛ばしてください。
目次
実験環境
3日間うちの部屋で、定期的に電力メーターの数字を記録しました。
その内1日は、つけっぱなしにした状態からデータをとっています。
使用したエアコンは、日立のRAS-25SJX(98年製)です。
かなり古いので、最近のエアコンならもっと消費電力を抑えられるかもしれません。
設定温度は28℃。
エアコンをつけた時点ではどの日も、部屋の温度は35℃を超えている状態でした。
部屋は8畳ほどの広さです。
エアコンの電気量を求める
エアコンをつけ始めてから室温が安定するまでの平均電気量
まず、エアコンをつけない状態での部屋の使用電気量は次のとおりです。
- 2.1kwh(8時間)
- 2.4kwh(9時間)
よって、1時間当たりの電気量は
(2.1+2.4) / (8+9) = 0.264705(kwh) ・・・①
となります。
次に、エアコンをつけてから5時間までの部屋の使用電気量は次のとおりです。
- 4.3kwh(5時間)
- 4.4kwh(5時間)
よって、1時間当たりの電気量は
(4.3+4.4) / (5+5) = 0.87(kwh) ・・・②
となります。
②-① = 0.87-0.264705 = 0.605295(kwh) ・・・③
これが、エアコンそのものの平均電力量(つけ始めてから室温が安定するまで)となります。
室温が安定している状態のエアコンの平均電気量
室内温度28℃で安定した状態での部屋の使用電気量は次のとおりです。
- 5.0kwh(9時間)
よって1時間当たりの電気量は
5.0 / 9 = 0.555555(kwh) ・・・④
となります。
④-① = 0.555555ー0.264705 = 0.290850(kwh) ・・・⑤
これが、エアコンそのものの平均電力量(室温が28℃で安定している時)となります。
室内温度が安定すると、料金も安定する
室内温度が安定してしまえば、使用電力は半分以下になることがわかりました。
長くつけたほうが、1時間あたりの使用電力は少なくなるということです。
ただ、使った分だけ料金はかかってくるので、つけっぱなしで節約にはならなそうです。
1ヶ月のエアコン代を求める
まず前提として、エアコンの料金は従量電灯Aの第2段階料金以上を適用するものとします。
これは、私の1ヶ月の電力使用量が大体120kwh前後だからです。
120kwh~300kwhは、2段階料金である25.33(円/kwh)を、
300kwh以上は、第3段階料金である28.76(円/kwh)を適用します。
ではいよいよ、実際に1ヶ月にかかるエアコン代を求めていきます。
3パターン考えてみました。
- 夕方帰ってきて寝るまでの間エアコンをつける
- 夕方帰ってきて次の朝出かけるまでの間エアコンをつける
- ずっとエアコンをつける
それぞれエアコンの使用時間を、6・14・24時間とします。
1ヶ月毎日つけた場合を、それぞれ計算してみました。
1日6時間毎日つけた場合
まず、1日に使用する電気量は次のようになります。
室温が安定するまでの電気量 + 室温が安定してからの電気量 = ③×5 + ⑤×1
それを30日間続けるので、1ヶ月の電気量は
(③×5+⑤×1) × 30 = 99.51975(kwh)
となります。
よって1ヶ月の電気代は、第2段階料金を適用して、
25.33 × 99.51975 = 2520.83(円)
となります。
1日14時間毎日つけた場合
まず、1日に使用する電気量は次のようになります。
室温が安定するまでの電気量 + 室温が安定してからの電気量 = ③×5 + ⑤×9
それを30日間続けるので、1ヶ月の電気量は
(③×5+⑤×9) × 30 = 169.32375(kwh)
となります。
よって1ヶ月の電気代は、第2段階料金を適用して、
25.33 × 169.32375 = 4288.97(円)
となります。
毎日つけっぱなしにした場合
まず、最初の1日に使用する電気量は次のようになります。
室温が安定するまでの電気量 + 室温が安定してからの電気量 = ③×5 + ⑤×9
残りの29日間の電気量は次のように表せます。
室温が安定してからの電気量 × 24 × 29 = ⑤×24×29
これらの合計が、1ヶ月の電気量なので、
③×5 + ⑤×9 + ⑤×24×29 = 210.985225(kwh) ・・・⑥
となります。
この電力量は第2段階料金の許容量を超え、第3段階料金も適用されます。
第2段階料金は180kwh分に適用されるので、
25.33×180 = 4559.4(円)
となります。
超過した分は第3段階料金を適用し、
28.76 × (⑥-180) = 891.106311(円)
となります。
これらの合計が1ヶ月の電気代なので、
4559.4 + 891.106311 = 5450.50(円)
となります。
エアコン代だけの料金比較
1ヶ月のエアコン代はこのような結果となりました。
- 1日 6時間使用時 : 2520.83(円)
- 1日14時間使用時 : 4288.97(円)
- 1日24時間使用時 : 5450.50(円)
『18時に仕事から帰ってきて0時に就寝する』といった人の場合で考えてみましょう。
とりあえず帰ってきたらすぐにエアコンをつけて涼みます。
でも、電気代がもったいないので、寝床に入ると同時にエアコンを切ります。
夜寝る前にエアコンを切ると、つけっぱなしにした時より3000円近く節約できますね。
3000円は結構大きいです。
が、ちょっと考えてみましょう。
1日100円で熱中症になるリスクを減らせるのだとしたら、安いものじゃないでしょうか?
夜中でも熱中症で運ばれる人がたくさんいると聞きます。
眠っていると水分補給もできないので、無理はありません。
重症化して倒れでもしたら、余計に金はかかるし人にも迷惑をかけてしまいます。
それを未然に防げるのなら、コストパフォーマンスは悪くないと思います。
もちろんつけっぱなしじゃなくてもいいです。
朝までつけているだけでも1700円くらいしか違いません。
もったいないから寝る前にはエアコンを止めるといった人も、1度考えてみてはいかがでしょう。
また、どうせつけるなら長時間つけ続けたほうがいいですね。
結果を見る限り、1日に6時間を2回よりも、14時間を1回のほうが電気代が安く済みます。
こまめにつけたり消したりは逆効果でしょう。
つけるのは1日1回と決めておけばいいと思います。
まとめ
- 室内温度が設定温度で安定すれば、消費電力は半分以下に
- 寝る前にエアコンを切ると3000円の節約にはなる
- 1日100円の追加で熱中症を防げるなら安いもの
これからも暑い日が続いていきます。
無理の無い程度にエアコンをつけて、この夏を乗り切っていきましょう。
参考文献
・関西電力 -『従量電灯A』